和包丁の豆知識<最終章>その二

家庭でお刺身を切るには -2

刺身にしようとする身をまな板に置き、包丁の角度は30度くらいに上に上げ、刃元を身の上に置きます。そこから振り下ろす感じでさーっと包丁を刃先まで滑らせます。刃の全てを使って切るという感じです。刃が長い包丁だとそれで普通は切り落とせます。それゆえ、刺身を切る柳葉包丁というのは長いのです。

自分が使っているのも30センチ以上あります。

万能包丁はそれほど長くないので、一回で切れないかもしれません。そんな時は無理に力を入れて切らないでください。もう一回刃元から刃先まで使って切れば良いです。二回でも三回にでも分けて切れば良いことです。

なぜ力を入れてはいけないか? 先ほども少し書きましたが、前後に包丁を動かさずに包丁を真下に力任せに落とすと、切れた断面がつぶれてしまいます。

つぶしてしまうと、そこから魚のうま味が流れ出てしまいます

また断面がギザギザで、口に入れた時に舌触りがよくありません。肉、例えばハムなどは逆に少しギザギザな断面の方が美味しいようです。だから洋食の方が肉を切る前に、シャープナーという、やすりみたいので包丁の手入れをしているのをテレビで見たことがありますけれど、あれでギザギザな断面になるのかな、と思います。

お刺身の断面のイメージは綺麗でなめらかだと言えばよろしいのでしょうか。

レシピを提供
してくれたお店

魚処 上乃家
唐澤本樹 店主

長野市の権堂アーケードの中にある居酒屋でお料理をご提供しています。瀬戸内から仕入れた新鮮なお魚をメインに、珍しいネタや季節に合わせた旬の食材を使ったメニューをご用意しております。